新企画!「しマイスター」島原半島の匠
しマイスター/しましま
2016/8/9 15:00

さあさあ皆さんお待ちかねの新企画!「しマイスター」です。
島原半島でひそやかに匠の技持つ職人をもっともっと地域の方に知って頂こう!ということで始まりましたこの企画、第1回目はひょうたんアート名人、松本健一さん(72)のお宅とハウスを訪問しました。


平成28年6月2〜3日、大分県日出町で開催された第41回全日本愛瓢展示会で2位の文部科学大臣賞を受賞した”ひょうたんランプシェード”です。


松本さんのひょうたんランプシェードは、工芸の部で約230点のうち1位に選ばれ、3部門(素瓢、装飾、工芸)全体では総合2位を受賞しました。
それが初めての出展というのだから更に驚きです。
それにしてもダイナミックなひょうたんアート、迫力が桁違い。


作品は、3つの構成から成り立っており、流木等で作った基礎部分の上に1m以上のメインのひょうたんが乗せられ、その周りに30cm程の小サイズのひょうたんがランダムに配置されています。高さや奥行きがあって見た目のバランスがばっちりです。


ひょうたんには麻の葉模様が掘ってあり、所々穴の中にカラフルなビーズが埋め込まれてあり、目立ちすぎない彩りも添えられています。

ひょうたんの、統一性のない曲線にあわせて模様を彫るので、緻密な計算が念入りに行われ、時に松本さんの頭を悩ませます。
しかし、そこがこのひょうたんアートの魅力の一つでもあります。
手塩にかけた分、愛情が増し、ひょうたんの虜になるのです。


↑千成ひょうたん塗り↑

ひょうたんアートを始めたのは、5年前に「塗り」に出会ったのがきっかけ。
「塗り」は、ひょうたんの上に漆を重ねて塗り、専用のペーパーで磨くその力加減次第で漆の色が映し出されます。
強めに磨くと上層の色、軽めに磨くと下層の色が反映されるのですが、ちょうどいいと思っていても最後の仕上げでまた違う色に変化してしまうので、その塩梅が難しい所。


その後「掘り」にシフトチェンジした今、これだけの作品が部屋中に所狭しといわんばかりに並んでいます。
1つの作品にかかる時間はおよそ400時間。
家紋入りのシックなものや、ビーズが埋め込まれた女性好みなものなどバラエティに富んでいます。

実際に真っ暗な部屋の中で電球を灯すとぼんやりと光が浮かび上がり、何とも幻想的。
ひょうたんの模様が陰となり壁や床に反射するのもオシャレでした。
1つ1つデザインが異なるものばかり!
ご高齢でありながら、アイディアが尽きない表現力があっぱれ!


↑一昨年の3月、初めて掘った作品がコチラ。↑


こちらが作業場となっており、午前2・3時から作業を開始します。


彫刻刀ではひょうたんが割れてしまうので、このデザインナイフを使用します。


穴をあける時にはこの「ルーター」が役に立ちます。


ひょうたんを育てるハウスの中へ・・・
大きなひょうたんを育てるにはハウスでないと、雨で腐れてしまうそう。
ちなみに松本さんは長崎におけるひょうたんのハウス栽培第1号!


また、大きくなりすぎるとすぐに実が落ちてしまうので、網をかけます。
大きく育てるのも大変とだといいますが、加工する前、乾燥させるまでの工程のなかで、地獄の様なひとときがあるそうです。
それは、ひょうたんの中身を腐らせて中身をくりぬく作業。
その腐敗臭が強烈でたまらないと、笑って話しました。


ひょうたん坊。
「お父さん、早く大きくなるからね」


松本さんの本職は農業で、ひょうたんハウスの隣のハウスにはアスパラガスが芽を出していました。


“こんにちは”
アスパラガスってこんな風に育っているんですね。


ひょうたんは末広がりで、昔から縁起物とされています。
奥様の隣で職人松本さんがひょうたんの話をしている時の顔には幸せがにじみ出ていました。
また来年、四国高松で開催される展示会に向けて頑張ってください!

次はいつ、どこの職人に出会えるか!
おたのしみに!


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