〜雲仙市で保護された花子ちゃんの現在〜

2006年のことです。今の飼い主さんが、日課である愛犬の散歩をしていると、いつの間にかついてくるようになったワンちゃんがいました。

人馴れしていないワンちゃんでしたが、意外やあっさりと保護することができました。

が、その夜、夜通しクンクン泣く彼女。
今の飼主さんは、その意図を掴もうと翌日彼女の向かう方向に着いて行きました。
草むら畑に立ち止まった彼女の足元には、まだ目も空けれぬ赤ちゃん犬が4匹！

そんな事情とはつゆ知らず、一度彼女とはお別れをしました。

そして2週間ほどあったある日、久しぶりに花子ちゃんを発見！
子育てに勤しんだのでしょうか。かなりの激痩せぶりでした。
こちらの姿をみるなり、すぐ立ち去ってしまったのですが、何かアイコンタクトをするような素振りでした。

彼女が座っていたところを見ると、チョコチョコと動く物体が……。
それが花子ちゃんと仔犬たちとの出会いでした。

痩せ細った彼女の親としての想いに感銘をうけた飼い主さんと、先住犬である愛犬1匹、花子ファミリー5匹との生活が始まり、皆は晴れて家族となりました。

しばらく一緒に過ごした仔犬たちは、それを聞いた人々の温かい心により里親の元へと旅立ちました。

花子は推定何歳かはわからないですが、飼主さんのもとへ来てちょうど10年になります。
未だ人間不信で、ただ飼主さんのそばでじっとしてるだけの花子ちゃん。
飼主さんはそんな花子ちゃんに癒しをもらっていると言います。
そして、あの仔犬たちが今も可愛がられている話を聞くと、とても嬉しく思うと語りました。

穏やかな瞳で夕日を見つめる花子ちゃんは今何を思うのでしょうか。
怖がりなので、見かけても声をかけずに温かく見守ってくださるようお願いいたします。

花子ちゃん、これからも幸せに暮らしてくださいね。

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