【しまるしぇ】No.7 〜生産者を訪ねて〜
special/しましま
2016/12/27 13:00

「島原・天草の一揆」の激戦地となった南島原市南有馬町、原城跡。
乱後荒れ果てた土地は350余年たった今、農地として復活を遂げ長崎県一のトマトの産地となりました。この歴史的な場所でトマトの生産と、新たな農業のスタイルを追い求める安藤秀作さんを訪ねました。


安藤さんが持つ独自のブランド「arimato(アリマート)」のトマト。

トマトは夏の野菜といったイメージが強いですが、アリマートのトマトは、今の時期から2月3月4月と月を追うごとに糖度を増しながら食べごろを迎えます。
その甘さは、フルーツトマトと間違われるほど。

夏のトマトは気温が高い分、水分が蒸発しやすく比較的水やりを多く行いますが、冬のトマトの場合、水分を保ちやすくなるため与える水が少なく、糖や旨味が凝縮され栄養分が多く含まれています。
冬のトマトも楽しんで欲しいという安藤さんの願いが叶えられたトマトです。

又、南有馬町は島原半島の南に位置し、半島のほぼ中央にある雲仙の山陰になる事もなく光を浴びられるという地理的条件も相俟っておいしいトマトが出来ます。まさに太陽の恵みです。

冬トマトの栽培は夏の土づくりや種まきから始まります。
安藤さんは減農薬栽培に力を入れており、通常の三分の一までの減農に成功しています。
ハウスの中には相棒のマルハナバチが飛びながら受粉作業を手伝っていました。

温度や湿度の管理は重要で毎日のチェックは欠かせません。
木それぞれで味や収穫時期が変わるので、特に葉の色や茎の様子、成長点はぬかりなく目を通します。


ほんのり色づくツヤツヤなトマト。
収穫までもう少し!


1つずつはさみで丁寧に収穫します。
19年間トマト一筋の安藤さん。その手つきにはトマトへの愛情が感じられます。



お店に並ぶトマト達。


直販が夢だったと話す安藤さん。



昨年、「キッチンと畑をより近くに」という想いをもとにアリマート直売所をオープンしました。
毎年11月の終わり頃から7月までトマトが販売されます。



棚には商品を始め、トマトや農業にまつわる本など、いろいろな物をレイアウト。



食材の宝庫といわれるイタリアでは「食」や「農」に対する感心が強く、農業に携わる人だけでなく、都心部でも家庭菜園やベランダの鉢植えで何かを育てるなど、ほとんどの人が土と触れ合う事をライフスタイルの一部に自然と取入れています。

安藤さんは、畑から直売所、直売所からキッチンの間を出来るだけ狭める事で、生産者側もお客様の家庭の事をより近くに感じられると話しました。

お店の名前の由来は、「animato(アニマート=生き生きと、活気のあるの意。音楽用語)」と付ける予定でしたが、安藤さんのお母さんが「アリマート」のほうが聞き取りやすかったため「arimato(アリマート)」となりました。



安藤さんから一言
お気に入りの生産者や作物を見つけて、ファンになって欲しいです。



トマトの直売所アリマート
〒859-2412
長崎県南島原市南有馬町乙478番地
電話番号 090-3070-5964
販売期間 11月〜7月
営業時間 10時〜18時
定休日 販売期間中 無休
駐車場 5台


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