教育/しましま
2018/8/8 18:00
2018年7月25日 和泉流狂言師の野村万禄さんによるお稽古の様子/2018年8月3日、島原城解説員の松尾卓次先生を講師に迎え、特別公開された長崎県指定文化財「肥前島原松平文庫」
【肥前島原子ども狂言】とは
島原ならではの伝統芸能を子どもたちに伝えようと、江戸時代より島原に能と共に伝わった狂言を、和泉流狂言師の野村万禄さんと島原城資料館解説員の松尾卓次さんを講師に、子どもたちが稽古をしていきます。
2018年の受講者は2歳から高校3年生までの36名。11回の稽古を経て、10月13日「第36回島原城薪能」でお披露目されます。
肥前島原子ども狂言 其の一はこちら
http://shimashima.adthink.net/feature/education/20180519kyougen/Posts.html
肥前島原子ども狂言 其の二はこちら
http://shimashima.adthink.net/feature/education/20180606kyougen/Posts.html
肥前島原子ども狂言 其の三はこちら
http://shimashima.adthink.net/feature/education/20180707kyougen/Posts.html
小舞でも細かい所作に指導が入ります。
この日は15:00〜21:00までの計6時間にも及ぶお稽古となりました。
※子どもたちのお稽古の時間は、経験年数によって異なります。1年目の子どもたちは19:00〜21:00など時間が決まっています。
長崎県指定文化財「肥前島原松平文庫」を特別公開!江戸時代の古文書を実際に見ることができました。
御殿図によると、今の島原第一小学校の運動場あたりに能舞台が作られていたそうです。
「藩主は書院の上座、家臣は下の間、庶民は舞台前の白州から見たことでしょう。舞台の後ろには島原城が見えたそうです。それはそれは見事な舞台だったでしょう。」という松尾卓次先生の解説を聞いて、子どもたちも昔の島原城に想いを馳せました。
「むかし、島原におらしたお殿様(特に松平忠房公)が能楽(能と狂言)ば好いとらして、藩主交代のお祝いのときには1,800人くらいの庶民ば招待して一緒に楽しみよらしたとげな。
島原の人が能楽ば上手に演じたら褒美にお金とか米ばやるごとさしたとさ。もし親になんかあってもやっていけるごと子どもにも習わせたり、『能の覚』ていうて免許のごたとば作ったり、芸事で社会保障ば作るくらい島原と能楽は深い関係とよ。しまいには、おっかけまでおったげなたい。そこらへんは今も昔も変わらんね。」
※上記の方言の部分は、あくまで松尾卓次先生の解説を聞いたしましまスタッフの見解です。
狂言を演じる子どもたちが、こういった歴史に触れたことで、さらに狂言を身近なものと感じることができたのではないでしょうか。
10月13日に開催される「島原城薪能」での舞台発表まで、この「しましま」で毎回、稽古の様子をお伝えしていきます。お楽しみに!
【 野村万禄 】昭和41年(1966年)東京に生まれる。
故・野村万蔵(芸術院会員・人間国宝)の孫。
伯父の初世野村萬(人間国宝)に師事。
平成2年(1990年)東京芸術大学音楽学部邦楽科能楽専攻卒業。
平成12年(2000年)、二世野村万禄襲名。
野村万蔵家の別家を興す。
現在福岡在住。
国内外において数多く、九州各地に稽古場を開設。
一般にも広く門戸を開き狂言の普及と発展に努めている。
また、クラシックアンサンブルやピアノとの共演など幅広く活躍中。
平成16年(2004年)より島原子ども狂言ワークショップの講師を務める。
島原城薪能HPより抜粋
島原城薪能(島原城薪能振興会)
http://www.takiginou.jp/