〜チョークで表現する世界「黒板アート」〜「しマイスター」第22弾(美術教諭/小野大輔)

しマイスター/しましま
2022/1/7 17:00

島原半島にいる匠の技を持つ職人を、もっともっと地域の人にも知っていただこう!という企画。今回は、黒板アートの第一人者とも言われる「美術教諭 小野大輔さん」のご紹介です。

入学式や卒業式など、最近では学校でも見ることが多くなった黒板アート。学校で身近にあるチョークを使って黒板をキャンバスに見立て描かれる絵は、大きなスケール感とあたたかな印象、そして何より黒板消しで消されてしまう儚さが魅力のアートです。


上の写真は、島原高校の卒業生の似顔絵。この作品は、卒業を祝う為、生徒たちの笑顔や仕草などを思い出しながら小野さんが制作。


小野大輔さん(雲仙市出身)/島原高等学校 教諭・島原商業高等学校 教諭(兼務)
小野さんが黒板アートを描き始めたのは全校生徒30名の小規模校に赴任した2011年。初めて教壇に立った年に卒業する生徒たちへ感謝の気持ちを何かの形で伝える事ができないかと、卒業式の前日、教室の黒板に一晩で描いた卒業生13名の似顔絵。力をくれた生徒たちへのはなむけの作品は、その後、似顔絵がTwitterにあげられると瞬く間に全国に広がり、多くのTVやメディアで紹介され注目を集めました。


黒板・ホワイトボードメーカーの日学株式会社が主催する「黒板アート甲子園」にも小野さんは立ち上げから関わり、プレ大会・第1回目から第5回目まで審査員を務めてきました。

黒板アート甲子園
https://kokubanart.nichigaku.co.jp

【TV出演】
2011年
日テレ 不可思議探偵団SP
毎日放送 知っとこ!
日テレ 行列のできる法律相談所テレビ東京 所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!
日テレ スッキリ!!

2012年
テレビ朝日 涙と笑いの瞬間バラエティー「一枚の写真」
TBS 爆笑学園ナセバナール

2013年
NHK 欽ちゃんの全国びっくり王!
日テレ ギャップ人
フジテレビ 笑っていいとも!

2014年
日テレ 24時間テレビ
日テレ 世界まる見え!テレビ特捜部
など


【略歴】
日展会友
白日会準会員
長崎県美術協会会員
島原半島美術振興会会員





「チョーク絵のある静物」小野大輔





黒板をキャンバスに描く黒板アートは、専門的な道具がなくても身近な道具を使って描くことができます。描いてもすぐ消すことができるので、何度も描き直しながら、まずはチョークの感触を覚えていくのが上達のコツだそうです。




上記画像は©小野大輔

言葉では伝えきれないクラスへの想いを、チョークで表現しよう!
黒板アートに興味があってこれから描いてみようと思っている方にオススメ。黒板アートの基本準備から画材の使い方などを教えてくれる一冊です。

小野さんは現在、「黒板アート」2冊目となる本を執筆中!
発売が楽しみですね。

「黒板アート」の描き方事典/小野大輔
2021年3月 明治図書出版
詳しくはこちら




上記画像は©小野大輔

昨年4月、小野さんが7色のチョークで描いた綺麗な桜。入学してくる生徒たちを桜の木々でお出迎えです。





小野さんは、黒板アートで似顔絵を描いたことを機に多くの黒板アートを描くようになり、美術の授業でも題材として黒板アートを取り入れています。「身近にあるものを使って、表現することの楽しさを感じて欲しい。」という思いは生徒たちにも伝わり、島原高等学校の文化祭では、1年生の各教室で生徒たちによる黒板アートが描かれ披露されています。








文字を書く時と違い、チョークの持ち方や角度、筆圧を変えることで様々な線を表現ことができるチョーク。指でこすったり、消しゴムで消したり、黒板という画面に様々な世界観を作り出すことができます。





一色のチョークで描かれた絵。モノクロームの世界の中に豊かな表現力を感じます。







定番の白いチョークだけでなく、カラフルなチョークで描くことで、色彩豊かな迫力ある絵も楽しむ事ができます。技法や色使いなど、工夫次第で様々なバリエーションで描ける奥の深さも黒板アートの魅力。






秋に美術の授業で行われたTシャツロゴ制作。「島原高校または地元」をテーマに、一人一人デザインを考え、シルクスクリーン印刷で作りあげたTシャツが完成。デザインの目的は「伝わりやすさ」。ロゴデザインは、絵画と違い、いらないものを削ってシンプルな形に作り上げていきます。




この日は、Tシャツお披露目の日。ロゴのテーマに合わせてコーディネートした自分の服を着て、みんなの前でプレゼンです。






鑑賞する生徒たちは、販売・着用することを前提とした実用性のあるものか、テーマをPRする洗練された形や色(3色限定)か、効果的な色彩を使用しているか、魅力が伝わるコーディネートやウォーキングができているかなどを評価していきます。




毎日の授業や部活、お世話になっている先生たち、地元の特産品など、自分のコンセプトを思い浮かべながら発表する生徒たち。





茶道をモチーフとしたり、弓道や数式を用いて、人に見られること・伝わる事を意識して考案されたデザイン。東京オリンピックのピクトグラムの影響なのか、今年はシンプルなデザイン作品が多かったようです。




「身近にある黒板とチョークで表現できる黒板アート。黒板アート甲子園にチャレンジしてみたり、入学式や卒業式、文化祭などの節目節目で思いを表現したりと、これからも、年齢や場所を問わずいろんなところで広がってほしい。毎日の生活で感じる事や景色などを描いて美術に興味を持ってくれたら嬉しい。」と、小野さんは期待を込めて語ります。




【長崎県立島原高等学校】
〒855-0036
長崎県島原市城内2丁目1130番地
TEL 0957-63-7100
web http://www.shimabara-h.ed.jp

小野大輔
Facebook @小野大輔
Instagram @d1ce_k
Twitter @daisukechoco051





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