【しまるしぇ】NO23 島原百年生姜「松本農園」松本綾子さん
しまるしぇ/しましま
2021/7/31 12:00

生産者へのインタビュー特集『しまるしぇ』の第23弾!今回は、5代続く生姜農家「松本農園」松本綾子さんのご紹介です。




白くみずみずしいとれたての生姜。ぽかぽかと体が温まり夏バテ解消にも効果があると言われ、食欲をそそる香りや少し辛い味は薬味としても重宝されています。

江戸時代、祖父・人作さんの代に農業が始まり現在の政彦さんで5代目。その後、明治時代に祖父・またえさんの代に、醤油屋さんから味噌漬け用の生姜栽培の依頼があった事をきっかけに生姜栽培が始まり、100年以上に渡り生姜をつくり続けています。





雲仙岳ふもと、田畑が広がる島原市三会の長貫地区。有明海へ伸びる傾斜地の肥沃な土壌で、現在は生姜を2ヘクタール栽培、夏から秋にかけて収穫されます。松本農園では生姜の他にも、大根、人参、白菜、とうもろこし、レタス、ごぼうなどを栽培。






松本 綾子さん
長崎市出身。夫・政彦さんとの結婚を機に就農。慣れない土地で始まった農作業ですが、知れば知るほど生姜の世界に引き込まれ、生姜の魅力や農業の楽しさを広めたいと野菜ソムリエの資格を取得後、講演や実習講師なども行なっています。自身で各地に出かけ、自慢の生姜を広めるなど販路拡大にも意欲的で、とても活動的な女性です。

昨年は海外を拠点にシェフとして活躍している息子さんが渡航できなかった為、1年限りの「シェフが作るかき氷(松本農園製氷所)」をオープン。全国の農家の友人たちから送ってもらった果物を使用した手作りソースは大好評だったそうです。「農業や食材の持つ可能性が広がるのを実感した。」と綾子さんは語ります。




7月に収穫される生姜はハウス栽培。黒土をしっかりかぶせ育てるので、色白で辛みもマイルド。茎は背丈ほどに伸びています。秋には露地栽培された生姜が収穫され、貯蔵された「囲い生姜」と呼ばれる表皮が飴色に変化した生姜が販売されます。






土から引き抜くとハウスの中に広がる生姜の香り。茎との境目が鮮やかな紅色で綺麗ですね。






生姜栽培は前年に取れた生姜を種として植えつけるそうです。1つの親生姜から芽がでて、地上に葉が広がり、たくさんの生姜が繋がってできていきます。店頭ではコロンと1つ2つ入った状態で販売しているので、初めてこの姿を見る人は驚くことも多いようです。「親生姜と繋がっている新生姜。まるで大家族のように繋がって見えて、ほっこりするでしょう。」と、たくさん連なる生姜の姿に、綾子さんは親から子へと注がれる家族愛のようなものを感じて愛おしくなるそうです。一年、また一年と生姜は引き継がれ、松本家の生姜の味が100年以上引き継がれていきます。







収穫された生姜は茎の部分で切り取られ、水圧で丁寧に水洗いして土を落とします。







みずみずしいこの時期の生姜は、繊維質も少なく柔らかいので甘酢漬けや千切りにして夏野菜サラダがおすすめ。爽やかな香りとまろやかな辛みが、夏の疲れた体にピッタリですね。

綾子さんの最近のオススメは、薄くスライスした生姜にサイダーなど炭酸を注いだ手作りジンジャエールだそうです。




平成29年には、農作物、農産加工品の生産・販売などを行う「株式会社 人作」を設立。より多くの人に生姜の美味しさを伝えるために開発に取り組む中で、加工品もどんどん増えてきたそうです。加工用の皮むきは、一つ一つ手作業。






おにぎりなどにもオススメの「おかかdeしょうが」など、生姜がたっぷり入った加工品は、有明町大三東にある「農業組合法人 舞岳の里生産組合 直売所」などで購入することができますよ♫

島原城「古野梅苑」の梅を活用した梅干しや梅シロップも昨年から販売を始め、焼いた豚肉にかけるだけの「しょうが焼のたれ」は、醤油などにこだわり今年6月から発売開始しました。

しょうが焼きのたれ
しょうが焼きのたれ マイルド
ジンジャーシロップ
酢しょうが
島原城のシロップ
島原城の梅干し
おかかdeしょうが
みそdeしょうが
ジャムdeしょうが
シロップdeしょうが
生姜飴
ミルク生姜飴
しょうがひねり飴
生姜パリパリ





「ベジフルカッティングプロフェッショナル」の資格も持つ綾子さんは、野菜の美味しさ、食べ方などを伝える活動も行なっています。
「食卓や、友だちとの集まりなど、綺麗に盛り付けられた野菜やくだものを見ると食事がよりいっそう楽しくなります。ペティナイフ1本でできる手軽さもありオススメですよ。」と、普段捨ててしまいがちな葉や皮も余すことなく食材を利用できることを教えてくれます。







「普賢岳や有明海が広がる自然豊かな素敵な場所に来ることができて私は幸せ。」と、笑顔と前向きな言葉が印象的な綾子さん。これからも、食べた人のからだをぽかぽかと温めてくれる松本農園がつくる自慢の生姜を一度食べてみませんか?




【株式会社 人作/松本農園】
〒855-0022
島原市長貫町丙1907-1
TEL 0957-63-4416
facebook @松本農園(株式会社 人作)
※生姜のご注文は、TELまたはFacebookからお申し込みください








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